JA全中(全国農業協同組合中央会)が行っているキャンペーンが話題を呼んでいる。「日本の畜産・酪農応援キャンペーン」と称して、抽選で和牛や豚肉などを無料提供するもの。公式Webサイトなどで募集していたが、アクセスが集中して一時的にWebサイトを見られないほどの事態になっていた。
JA全中の担当者によると、今回のキャンペーンは和牛の認知や消費の拡大などを狙って2010年に開始。今回で11年目となる。A〜D賞の4つを用意しており、当初は2月9日〜3月31日の期間で募集していた。A賞の当選者は20人を予定していたが、和牛消費が低迷したことで、事業者支援の意味も込め、3月27日に5000人まで枠を拡大し、応募期限も4月10日まで延長した。その他の賞も、当選者数を拡大している。当選者に提供する肉などはJA全中が適正価格で事業者から買い上げたものだという。
担当者は、和牛の消費低迷の理由を2つ挙げ、新型コロナウイルスの感染拡大による「インバウンド需要の低下」「会食の減少」と説明。高級ランクである「和牛去勢A4」の1キロ当たり市場価格が、3月には1700円ほどとなり、前年同期比で500円程度落ち込んでいた。1頭を500キロと仮定すると、30万円ほどの値下がりとなる。
今回の当選者枠拡大は、一部政党内で経済支援策として「お肉商品券」などの案が出たタイミングと重なったことや、マスコミの報道もあり注目を集めた。30日夜にはWebサイトがアクセス過多状態に陥り、しばらくアクセスできない状態が続いていたが、4月1日夜に復旧。現在はアクセスできる状態に復旧している。なお、担当者によると、今回のキャンペーンと話題になったお肉券は関係がないとのこと。
担当者は「決して単に無料で配布することが目的のキャンペーンではない」とし、キャンペーンを機に和牛の魅力が広がり、新型コロナの影響が収まった後に和牛の消費が復活することに期待している。
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