ミレニアム世代のプロ1年目、古江彩佳(20=フリー)が、今季2勝目を挙げた。首位から出て、3バーディー、1ボギーの70。通算12アンダーの204で並んだ酒井美紀(29)とのプレーオフを3ホール目で制した。20歳172日での通算3勝目は、史上4番目の若さ。22歳の誕生日を迎えた渋野日向子は、69で通算4アンダーの23位と復調を印象づけた。

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プレーオフ3ホール目で、スーパーショットが飛び出した。18番パー4。フェアウエーから放った古江の第2打は、ピン手前に落ちるとカップへ一直線。カップに入りかけて外に飛び出し、30センチで止まった。この瞬間、プロ1年目での今季2勝目が決まった。

「9月に優勝できて、時の過ぎるのがすごく早くて。今季2勝目も今くるとは思わなかった。すごく早かった」と自身も驚く優勝だった。

それでも、優勝する条件はそろっていた。「アマ時代から勝つことが多かったので嫌いじゃない」というプレーオフは、プロ初勝利の東海クラシックでも経験済み。さらに、プレーオフ3ホール目で、カップがグリーン左から中央に切られると「距離もぴったりのクラブを持ってたし、気持ち良く打てて寄せられました」と笑顔で話した。

前日のプレー終了後は、コースに残ってアプローチの練習を日が暮れるまで黙々と続けた。「20球入れるまで帰れまテン」と名付けた8ヤード先にかごを置いて入れる練習。自分が楽しむ要素を取り入れた練習は長くやっても飽きがこない。その成果が、優勝争いの中で生きた。

尊敬するイ・ボミのキャディーを務めた川口大二氏と今回はコンビを組んだ。終盤の17番で「イ・ボミさんも17番でパーセーブしてプレーオフで勝った」と川口キャディーに言われ「自分に言い聞かせた」と気持ちを奮い立たせた。

今季2勝目で賞金ランクも4位に浮上。「いつかは取りたい」という賞金女王が、来年にも実現しそうな勢いだ。【桝田朗】

<古江彩佳の使用クラブ>

▼1W=ブリヂストンスポーツ ツアーB XD-3(シャフト=フジクラ スピーダー569TR 長さ45・25インチ、硬さS、ロフト10・5度)▼FW=同 ツアーB JGR(3W=15度、7W=21度)▼UT=同 ツアーB JGR(4U=22度、5U=25度)▼アイアン=同 ツアーB X-CB 6I~PW▼ウエッジ=同 ツアーB XW-1(50、54度)、ツアーXW-F(58度)▼パター=オデッセイ ストロークラボTEN▼ボール=ブリヂストンスポーツ ツアーB XS

◆古江彩佳(ふるえ・あやか)2000年(平12)5月27日、神戸市生まれ。ゴルフは4歳から。滝川二2年の17年に全日本大学・高校選手権優勝、同年ナショナルチーム入り。昨春から六甲国際GCで研修生となり、昨年10月にツアーの富士通レディースで史上7人目のアマチュア優勝を飾り、プロ転向。今年9月のデサント東海クラシックでプロ1勝、通算2勝目。昨年のLPGA敢闘賞。師匠は父芳浩さん。153センチ、54キロ。