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Friday, May 28, 2021

ペルチェ素子のCPUクーラーで第11世代Core i9をガッツリ冷やす、RTX 3080搭載で大型ケースもカッコいい超ハイエンドPC「ZEFT G32-ZERO」 - ASCII.jp

CoolerMasterの「COSMOS C700M」を採用、ASUS STRIXシリーズのRTX 3080を搭載

2021年05月29日 12時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

「ZEFT G32-ZERO」

 CPUが高性能化を遂げる中、頭を悩ます問題がその冷却方法だ。最近は、簡易水冷クーラーの普及が進んでおり、実際に使っている人も多いのではないだろうか。そんな簡易水冷クーラーにペルチェ素子を組み込んだ、Cooler Masterの「MASTERLIQUID ML360 SUB-ZERO」(以下、ML360 SUB-ZERO)が登場した。

 ML360 SUB-ZEROは、インテルの「Intel Cryo Cooling Technology」に基づいたクーラーなのだが、早速採用したゲーミング向けBTOパソコン「ZEFT G32-ZERO」も、パソコンショップSEVENを運営するセブンアールジャパンから発売された。では、ZEFT G32-ZEROはどのようなマシンなのか。まずは、その仕様を詳しく見て行こう。

Core i9-11900Kにペルチェ素子搭載クーラーを採用
ビデオカードはGeForce RTX 3800搭載のSTRIXシリーズ

 ZEFT G32-ZEROは、CPUに第11世代Coreプロセッサーの「Core i9-11900K」(以下、i9-11900K)を採用。このi9-11900Kは、10コア/20スレッドタイプのCPUで、高性能である半面、10nmプロセスのものを14nmプロセスに再設計したという経緯により、消費電力も高くなってしまっているのがネックとなっている。

CPU-Z(Version 1.96.1)の実行結果

 そこで、活きてくるのがML360 SUB-ZEROだ。このML360 SUB-ZEROは、ペルチェ素子を組み込んだ簡易水冷クーラーで、電力を加えることでペルチェ素子により室温以下にまでCPUを冷却することが可能になっている。天板に装着されたラジエーターは360mmクラスで、ペルチェ素子を使用せずに簡易水冷クーラーとしても使っても、十分な冷却性能を備えたモデルだ。

簡易水冷クーラーのML360 SUB-ZERO。ペルチェ素子が組み込まれているため、従来より背が若干高めだ

ML360 SUB-ZEROはポンプ部が独立している

360mmサイズのラジエーターは天板に装着されている

 ただ、ペルチェ素子を搭載する都合上、ポンプ部分が別ユニットとなっており、従来の簡易水冷クーラーよりは若干大掛かりになっている。

 そして、ペルチェ素子を利用するためには、Intel Cryo Cooling Technologyというアプリケーションが用意されており、そこから「Stanby」「Cryo」「Unregulated」の3つの動作モードに変更できる。Stanbyはペルチェ素子がオフになるモードで、Cryoを選ぶことでペルチェ素子が動作する。Unregulatedは、さらにペルチェ素子の効果を高めたモードで、結露する場合もあり得るので使用するには注意が必要だ。ちなみに、「3DMark」(Version 2.18.7185)のTime SpyにあるCPU testを30分間連続実行した時点のCPUの温度を見てみると、Cryoで67℃、Unregulatedで55℃と、ペルチェ素子の効果を確認できた。

Intel Cryo Cooling TechnologyにおいてDiagnosticsを選択し、テストが行なわれた結果

 一方、ビデオスカードには「GeForce RTX 3080」を搭載したASUSの「ROG-STRIX-RTX3080-O10G-GAMING」を採用。定評あるSTRIXシリーズのハイエンドモデルで、ブーストクロックは最大で1935MHzと、リファレンスの1710MHzから225MHzも引き上げられたオーバークロックモデルで、ゲームにおいて高いパフォーマンスが期待できる。

ビデオカードはROG-STRIX-RTX3080-O10G-GAMINGを採用

GPU-Z(Version 2.39.0)の実行結果

NVIDIAコントロールパネルからシステム情報を確認したところ

 マザーボードも同じASUS製でZ590チップセットを搭載した「ROG STRIX Z590-F GAMING WIFI」を採用。2.5GbE対応の有線LANと、Wi-Fi 6に対応した無線LANと、高速なネットワーク機能を装備。メインメモリーはDDR4-3200を32GB搭載しており、ゲーミング用途では十分な容量だ。さらに、ストレージにはM.2タイプのSSDであるSamsungのSSD 980 PROシリーズの1TB搭載。多くのゲームをインストールしたいユーザーにとっては、容量が足りなくなるということはまずないはず。さらに、SSDがPCI Express 4.0に対応し、少しも転送速度の向上が図られている点も見逃せないポイントだ。

M.2スロットのSSDには、マザーボード付属のヒートシンクが装着されており、発熱により性能が低下するサーマルスロットリングの心配もない

CrystalDiscInfo(Version 8.12.0)の実行結果

Wi-Fi 6に対応した無線LAN用アンテナも付属

 ケースには、CoolerMasterの「COSMOS C700M」を採用。ケースサイズは大きいながらも、両サイドパネルに強化ガラス板を用いているほか、天板には荷重に耐えうる取っ手が用意されているなど、かなり特徴的なケースだ。前面にはType-Aが4つにType-Cが1つと、USBが5系統備わっている点もかなり使い勝手がいい。

 そのほか、フロントパネルに天板、それに底面にも吸気孔が用意され、フロントパネルに3基の120mm角ファンを、背面には1基の140mm角ファンをそれぞれ搭載。内部のエアフローにはかなりの配慮がなされている。また、2.5/3.5インチシャドウベイが4つにSSDベイが4つと拡張性に富むほか、ケースが大きいため、内部空間もかなり広めに取られており、メンテナンス性も申し分ない。

フロントパネルの様子。天板側にはUSBが5系統用意されているほか、LED制御用ボタンとファンコントローラー用ボタンが備わっている

一方こちらは背面だが、USBが10系統と非常に豊富。また、本モデルでは映像出力にビデオカード側の端子を利用するため、マザーボード側にHDMIとDisplayPortは使用しない

サイドパネルを開き、内部空間を確認しているところ。ケースサイズが大きいこともあり、内部空間はかなり広めだ

ケースを始めとした各LEDは、マザーボード付属のアプリケーション「Armoury Crate」に用意されたAURA Syncで一括制御が可能

 電源ユニットには、ケース底面に置かれ、内部空間とは隔てられているため、電源ユニットのファンが内部空間のエアフローに影響を及ぼすことはない。その電源ユニットは、定格出力850WのCooler Master製「V850 Gold」を採用。80PLUS Gold認証を受けたモデルで、将来的なアップグレードを視野に入れても十分な容量といえる。

価格は52万2,280円と高価だが
唯一無二のマシンがほしい人には魅力的

 以上のように、ZEFT G32-ZEROはかなりハイエンドな仕様に仕上がっている。そのゆえ、価格も52万2280円と高価。とはいえ、長期に渡って使い続けることができるトップエンドの仕様であり、ほかとは異なる唯一無二のマシンがほしいと考えるユーザーにとっては魅力的なモデルではないだろうか。気になるのは、そのパフォーマンスだが、別記事で実際にゲームをプレイし、そのポテンシャルに迫ってみたい。

CPU Core i9-11900K(定格クロック3.5GHz、最大クロック5.3Hz、8コア/16スレッド、L3キャッシュ容量16MB)
CPUクーラー Cooler Master MASTERLIQUID ML360 SUB-ZERO
グラフィックス ASUS ROG-STRIX-RTX3080-O10G-GAMING(GeForce RTX 3080)
PCケース Cooler Master COSMOS C700M
マザーボード ASUS ROG STRIX Z590-F GAMING WIFI(Intel Z590チップセット)
メモリー 32GB PC4-25600(DDR4-3200 SDRAM、16GB×2)、スロット数4のうち2スロット使用
ストレージ 1TB M.2 SSD(Samsung SSD 980 PRO、PCIe 4.0)
通信規格 2.5GbE LAN、Wi-Fi6/Blutooth5.0対応
電源ユニット Cooler Master V850 Gold(定格出力850W、80PLUS Gold認証)
OS Windows 10 Home(64bit)

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