阪神先発の藤浪晋太郎投手(28)が7回6安打無四球1失点と好投し、今季6度目の先発で初勝利を挙げた。昨年6月13日以来433日ぶり、先発では同4月16日以来491日ぶりに勝ち星を挙げた。大阪桐蔭の恩師、西谷浩一監督(52)も「いろいろうまくいったりいかなかったりですけど、なんとか勢いを持ってここから行ってくれたらいいなと思います」と、12年甲子園春夏連覇時のエースの復活勝利を喜んだ。

卒業して何年たっても、藤浪は常に母校を気にかけ、後輩たちへの差し入れに足を運ぶ。今夏の甲子園大会中も、西谷監督らを通じて心づくしの差し入れ。「本当によくしてくれるので、子どもたちにとっても、身近な存在、っていうたらおかしいんですけど。お互い頑張りましょうと」と、後輩たちへの激励を恩師に託していた。

順調に勝ち星を重ねていたときも、完全復活を目指してもがく今も、藤浪が大阪桐蔭の後輩にとってあこがれの先輩であることに変わりはない。「うまくいかないことはありますけど、どんなときでも前向きに一生懸命にやる子なので、子どもたちからすればいつまでもあこがれの先輩なので、その先輩が頑張ってくれることは刺激になると思います」と西谷監督は語る。

前チームの主将だった星子天真内野手(3年)も12年の藤浪、森友哉(西武)らの活躍に心を奪われ、大阪桐蔭に希望進路を決めた。大阪桐蔭にあこがれ続けた主将に率いられ、チームは今春のセンバツを制覇。「今の子どもたちも大阪桐蔭にあこがれを持ってもらえたらありがたいなと。優勝だけじゃないですけど(子どもたちに)見てもらえるようにやらないといけないなと思っています」と監督が語るように、あこがれの連鎖が絶対王者の強さを支える。

今夏大会で史上3度目の甲子園春夏連覇を目指した後輩たちは、18日の準々決勝で敗退。次のチームに夢を託した。新チームスタート時の藤浪の勝利は「励みになると思います」(西谷監督)とエールと受け止め、母校も来春センバツを目指していく。【堀まどか】

【関連記事】阪神ニュース一覧