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Sunday, August 2, 2020

石狩の焼肉店「ホルモンキング」、肉のテイクアウトで売り上げ倍増 - リアルエコノミー

 コロナの影響で売り上げが大きく減少している飲食店は多いが、石狩市の焼肉店「ホルモンキング」(花川南1条4丁目117)は、焼肉のテイクアウトや店舗前でのビアガーデンなどによってコロナ前より売り上げを大きく伸ばしている。(写真は、テイクアウトのメニューを持つホルモンキング店主の鎌倉孝行さん)

「ホルモンキング」は開店から7年目、店主の鎌倉孝行さん(36)が切り盛りする七輪備長炭焼肉の店。ホルモンを中心に肉の種類が豊富で、一般的な焼肉店の倍に当たる約40種類を揃えている。中には和牛の「ゲタ」「かめのこ」など滅多にお目にかかれない希少部位も提供。また、オーダーを受けてから肉を切り分けるなど作り置きをせず新鮮さも売りにしているため常連客も多く、コロナ前までは順調に営業していた。

 しかし、コロナ禍による外出自粛や緊急事態宣言によって4月は売り上げが前年比で7割減に。鎌倉さんは弁当に活路を求めたものの、「手間暇かけて作っても値段は1000円前後で利益は残らなかった。これでは長続きしない。焼肉店である限り焼肉を食べてもらいたい」と考え、テイクアウトに切り替えた。新たに保健所から食肉販売許可を得て5月から電話予約を取り始めた。メニューは店が肉をあらかじめ決めておく「セット」と、お客が選ぶことができる「オーダー」の2つ。とりわけ人気なのが、お客が自由に選べる「オーダー」。価格帯は5000円から1万円。「お客さまも焼肉のテイクアウトには慣れていないので、予約の際にヒアリングして最適な肉を選べるようにアドバイスしています」(鎌倉さん)。

 家庭での焼肉と言えば、スーパーでパックされた肉を買ってきてホットプレートで焼き、市販のタレで食べるケースが多い。しかし、これでは焼肉本来の味が楽しめない。ホルモンキングでは、店で使うタレや薬味を無料で提供しているほか、七輪も無料で貸し出し、「店で食べる焼肉と同じように家庭でも味わえるようにしています」(同)。要望があればテーブルや椅子も無料で貸し出しており、単なるテイクアウトではないフルサービスも人気の秘密になっている。鎌倉さんは、「お肉ソムリエ」と「健康ミートアドバイザー」という民間資格を新たに取得、肉のことを分かりやすく伝える努力も重ねている。

 また、店舗前で始めたビアガーデンも好評。外で焼肉が味わえ、小さな子どもがいるお客は子どもを店内で遊ばせたり昼寝をさせることもでき重宝がられている。

 こうしたあの手この手の策が奏功、5月から売り上げが回復、前年より2倍以上で推移しているという。鎌倉さんは、「コロナによっていろいろ試行錯誤せざるを得なかったが、それが良かった。今後は企業や老健施設、児童養護施設などに出向く出張焼肉パーティーをアナウンスしたい。またテイクアウトは、秋冬に向け『すき焼き』や『しゃぶしゃぶ』、『もつ鍋』用を揃えたい」と意気込んでいる。
(写真は、七輪備長炭焼肉と絶品ホルモンの店「ホルモンキング」店舗)

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