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Thursday, October 29, 2020

植物性の肉は世界の食料システムを救うのか? ある農家が“現場”を訪れシリコンヴァレーに問いかける - WIRED.jp

ある農家がオーヴァーオールを脱ぎ捨て農場から向かった先は植物性のミートで有名なインポッシブル・フーズなどの企業だった。地球環境に優しいとされるその真価を自分の目で確かめるべく、植物由来のパテを味わい、幹部に話を聞いた彼女が、世界の食料システムを救う鍵を見出す。

TEXT BY SOPHIA HAMPTON
ILLUSTRATIONS BY GIACOMO GAMBINERI
TRANSLATION BY TERUMI KATO/LIBER

【本日10/29夜開催! 】
Editor’s Lounge:「ミラーワールド」の実現は、5Gでどこまで加速する?

ウェブやSNSに続く第三の巨大デジタルプラットフォームの未来図を、沼倉正吾(Symmetry Dimensions Inc. 最高経営責任者) が語る!
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ソフィア・ハンプトン

ニューヨーク州在住の農業従事者であり、1頭単位の解体を行なう食肉生産者でもある。気候変動の時代における食物と動物と環境の関係を追究する作品を発表している。

牛ふんのにおいのしない自分なんていつ以来だろう? ここはカリフォルニア州オークランド。ニューヨーク州北部の農場にあるわが家から約4,800kmも離れた場所だ。わたしが足を踏み入れようとしているのは、インポッシブル・フーズ(Impossible Foods)の生産施設。このベージュ色の巨大な直方体は、1カ月に450t以上の植物性の肉を産み出すことができる。

訓練中の農業従事者であり食肉生産者でもあるわたしにとって、ここは自分のしている仕事のすべてを完全なる時代遅れの産物にしようと脅かす場所だ。とりあえずどこかその辺でジョークのオチを見つけておかねば。

「WIRED CONFERENCE2020 Futures Literacy」

未来を「リブート」するための3日間── 12/2, 3, 4オンライン開催決定!

これから始まる施設内の見学ツアーに備えたわたしのいでたちは、ゴム長靴にスナップ留めの白衣、ヘアネット、安全帽、保護用ゴーグルと万全だ。誰かが氷点下でも字の書けるX線で検知可能なペンをわたしてくれた。3,000回ほどの手洗いと殺菌。自動長靴洗浄機と石鹸水を噴き出すマシンを通り抜けて中に入る。フォークリフトとの衝突を避けるため、歩行者は黄色く塗られた通路を歩かねばならない。わたしを案内してくれるピエールという男性のここでの肩書きは「継続的改善エンジニア(Continuous Improvement Engineer)」というらしい。

ステンレス製のタンクがそびえ立つ肌寒い部屋から、ツアーはスタートした。ピエールの説明によると、このタンクはジャガイモ・タンパク質をつくるためのものらしい。インポッシブル・バーガーに含まれる20種類の植物性原材料のひとつだ。わたしはジャガイモに関する質問を繰り出した。ユーコンゴールド種? ラセット種? 生産者は?

ピエールはパソコンのモニターをタップして回答を見せてくれた。それによるとタンクに入っているのは実はジャガイモそのものではなく、ジャガイモ由来の物質で、供給者については開示できないという。画面にはほかにも7つの化学的な響きのある原材料が並んでいたが、どうやらこの画面はわたしに見せてはいけないものだったことにピエールが気づいたらしく、すぐにわたしたちは黄色い通路に沿ってメインの生産ラインへと誘導されることになった。

【次回は10月31日開催! 】
建築家・重松象平が語る「フードイノヴェイションの未来像」

パンデミックが都市のあり方を永遠に変えるとしたら、わたしたちの食体験はいかに再構築されるのだろうか。世界の都市の建築を手がけながら、ハーヴァード大学では「食」をテーマに研究スタジオを立ち上げ、「食の砂漠化」が進む米国で、「フードハブ」プロジェクトにも携わった建築家・重松象平(建築設計集団OMAニューヨーク事務所代表)をゲストに迎え、都市と建築の未来を「食」という視座からとらえ直す。

お申し込みはこちら(Peatix) ※ SZ会員の方にはご優待あり。

赤い液体「ヘム」で風味づけ

インポッシブル・フーズの製品はすべて、2種類の大豆原料から生まれる。袋に入っているほうは大豆タンパク質。見た目は古くなったパン粉のようだ。樽に入っているほうは大豆のレグヘモグロビン。いわゆる「ヘム」と呼ばれるこの物質は遺伝子工学により生まれた赤い液体で、インポッシブル・バーガーのパテの風味づけに使われている。

うちの農場で約14kgのソーセージのたねを混ぜるのに使っているようなパドル型ミキサーが6つもあるが、ここのはひとつが約1.2tものたねを混ぜられる巨大なものだ。このミキサーが粉やらドロドロしたものやらツブツブしたものやらをかき混ぜてひき肉みたいな物質をつくり出し、それを別のマシンが100gちょっとのパテや2kg超の卸し用の塊に整える成形機の中へ流し込む。

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October 29, 2020 at 02:53AM
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