来シーズンへ若手の成長に期待
日本ハム・中田翔内野手(31)が10日、3年目のシーズンを終えた清宮幸太郎内野手(21)ら若手の覚醒に期待した。2年連続のリーグ5位に沈み、来季に向けてチーム力の底上げは急務。4年ぶり3度目となる打点王のタイトルを獲得した主砲は、伸び悩む”ダイヤの原石”たちにゲキを飛ばした。
「誰がどう見てもすごい選手」
若手よ、出てこい。9日に、公式戦の全日程が終了。いまやベテランの域に達した中田が、2年連続5位に終わったシーズンを振り返り、危機感を口にした。 「若い子たちはもっと出てこないといけない。上位にいるチームを見ると若い子が出てきている。下が(1軍に)上がってきて、脅かされるというか『自分も頑張らないといけないな』という気持ちには一切ならなかった」 厳しい言葉を投げかけたのは、熱い思いがあるからだ。4年ぶりのリーグ制覇を目指した今季、飛躍が期待された若手は伸び悩んだ。レギュラー陣の休息を優先すると、戦力は一気にダウン。守備のほころびも相次いだ。 猛ハッパをかけたのが、同じポジションの大砲候補、清宮だ。プロ3年目で初の開幕1軍入り。シーズン最終局面まで帯同したが、96試合に出場して打率・190、7本塁打、22打点と寂しい成績に終わった。一塁を狙うライバルとして「相手にならないというか、眼中にもないっていう感じでした」と言う。 もちろん、実力は認めている。「ポテンシャルもありますし、誰がどう見てもすごい選手。看板選手というか、引っ張っていかないといけない存在。清宮にはそういう選手になってほしい」と切望。7失策と守備でのミスも目立ち「世間の評価はすごく低いのかもしれないけど、今後の活躍を応援してもらいたいなと思う」と思いやった。
清宮だけじゃなく、平沼、浅間、野村も
キラリと光る原石は、清宮だけではない。シーズン中盤に1軍昇格し、遊撃のレギュラーを狙う平沼、けがに苦しんでいたが打撃センスに定評がある浅間。中田が才能を認める選手はいる。宮崎フェニックス・リーグに参戦中の2年目スラッガー、野村もその1人。「その辺の選手が出てきたらチームが強くなる。もう一度、1人1人が考え直して、やっていく必要がある」と奮起を促した。 中田がレギュラーの座を勝ち取ったのはプロ4年目。死にもの狂いで汗を流し、けがを押してバットを振った時間が現在の礎となっている。 「足りないものは、すべてじゃないですか。努力も、ガツガツだったり、ガッツも足りないのかもしれない」 厳しさこそ愛情の裏返し。日本ハムの大将は、若手の覚醒を願ってやまない。 (中田愛沙美)
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