◇31日 WBOスーパーフライ級タイトルマッチ(東京・大田区総合体育館)
井岡一翔(31)=Ambition=が同級1位で挑戦者の田中恒成(25)=畑中=を8回TKOで下し、2度目の防衛を果たした。2019年6月に日本男子初の世界4階級制覇を達成した井岡は、自身の日本選手世界戦最多勝利数を17に伸ばした。田中は初黒星を喫し、世界4階級制覇はお預けとなった。
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井岡がカウンターで放った左フックが、まともに田中のあごに突き刺さった。直前に井岡のグローブでの挑発に乗って攻めた田中が、意識を飛ばしたように立ったままガクリと崩れ、間髪入れずにレフェリーが割って入る。8回1分35秒TKO。井岡が、史上最高とも言われた日本人対決を完全決着で勝ち取った。
自身は日本初の世界4階級制覇王者で、田中は同3階級王者で勝てば2人目の4階級制覇。実力者同士の対戦だが、試合前の井岡は「自分にとっては好カードではないしメリットのない試合。格の違い、レベルの違いを見せる」と繰り返し口にしていた。試合を盛り上げるためのポジショントーク、あるいは思い上がりとも言われていた。
だが、試合はその宣言通りに進んだ。史上最高の下馬評通りの高度な技術戦が続くが、井岡は傑出したディフェンス技術でほとんどクリーンヒットをもらわない。その末の5回、カウンターの左フックでダウンを奪取。6回、その穴を埋めようと前へ出た田中を、またもや左フックでマットに転がした。
7回からは田中が意地の攻勢をかけてきたが、それも井岡の狙い通り。最後はグローブで挑発し、田中が引き込まれるように攻めたところへ右、左のコンビネーションで完全決着だった。
「ぼくからしたら、この結果はサプライズな試合でもなんでもない。ただ、格の違いを見せると言っていて、男として口だけで終わるわけにはいかなかった。田中選手は予想どおりスピードがあって強く、いい経験になった。This is ボクシング。これからもこういう試合をしていこうと思います」
2人合わせて世界7冠の対決を制した31歳は、2021年も日本ボクシング界のトップランナーであり続ける。
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