自己記録9秒98の小池祐貴(26=住友電工)が、100分の1秒差で4位に入って、初の五輪切符を決定的にした。後半からじりじりと迫って10秒27。10秒28だった5位桐生に先着した。参加標準記録10秒05を突破していた5人の中で3番手になり代表入りする。電光掲示板で順位を確認して、両手を3度たたいた。

前半は出遅れただけに「思い描いたレースができなかった。後半無理やり巻き返すような感じになってしまった」と反省したが、初めて五輪にたどり着く。

同学年の桐生を追いかけて、16年リオ五輪後に頭角を現した。18年ジャカルタ・アジア大会で200メートル金メダル。19年7月には日本人3人目の9秒台をマークした。26日からの200メートルでも参加標準記録20秒24を切っており「自分に集中してしっかり走る」。100メートルに続いて、2種目目の代表切符を狙っていく。

◆選考方法 1位の多田、3位の山県はともに参加標準記録(10秒05)を突破済みで、「3位以内」に入ったため2人は代表に決定。2位のデーデーは参加標準記録をクリアできておらず、世界ランキングでの出場資格にも遠く届いていない。そのため日本選手権で「3位以内」には入ったが、100メートル代表にはなれない。残る1枠は参加標準記録を突破した選手の中から、日本選手権の上位順で選ばれるルール。そのため4位の小池が決定的で、1種目最大3人までの条件から、5位の桐生、6位のサニブラウンは落選となる。

男子400メートルリレーについては、日本選手権が選考上「最重要選考競技会」と位置付けられている。100メートルの代表選手に加え、200メートルの代表選手との兼ね合いになるが、デーデーが代表入りする可能性も十分。また「特性と戦略を考慮」して選考するとされており、桐生やサニブラウンの可能性も残っている。