ライカブランドのスマートフォン「Leitz Phone 1」が7月16日にソフトバンクから発売されました。ライカカメラを謳ったスマートフォンはこれまでファーウェイから発売されていましたが、イメージセンサーとレンズをライカが設計していると明確にアピールして、内部的には同じ「AQUOS R6」が先行発売されているものの、独自の外観やUI、ライカ独特のモノクローム写真モード「Leitz Looks」を採用し、「ライカのスマートフォン」として発売されたのは「Leitz Phone 1」が初めてです。
それにしてはグローバルで発売しないのは「なんでだろ?」と思いますけども……。
さてEngadgetではすでにLeitz Phone 1関連記事が掲載されていますが、みなさんが一番気になっているのはカメラでしょう。というわけで今回は、iPhone 12 Pro Max、Galaxy S21 Ultra 5Gと撮り比べてみました。細かいスペックなどは下記関連記事をご覧ください。
●Leitz Phone 1関連記事
「Leitz Phone 1」と「AQUOS R6」はどこが違う? ライカ初スマホをじっくり検証
想像以上にがっつりライカ。Leitz Phone 1 開発裏話(石川温)
ただし、今回は使うカメラは標準カメラのみで、カメラモードはスマホまかせ。また、JPEG撮って出しの画像で比較します。さらにお断りしておくと、Engadgetはサイトの仕様上、撮影した写真を元の解像度で掲載できないので、すべてリサイズされています。それを前提に、それぞれの写真を見比べてください。色合いやダイナミックレンジの違いなどは確認できると思います。
■1インチイメージセンサーならではのボケ感
Leitz Phone 1のカメラの美点は、1インチイメージセンサーならではのボケ感です。最近のスマートフォンには、ソフトウェア的に背景をぼかす「ポートレートモード」が搭載されており、Leitz Phone 1にも「背景ぼかし」が用意されていますが、個人的には必要性を感じません。作り物ではないボケ感はLeitz Phone 1の大きなアドバンテージだと思います。
Leitz Phone 1で撮影
イメージ情報: 5472x3648 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.85mm (35mm換算焦点距離: 18mm)、シャッタースピード: 0.000384s (1/2605)、F値: f/1.9、ISO感度: 50、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
iPhone 12 Pro Maxで撮影
イメージ情報: 4032x3024 (Jpeg,YUV420,ICC profile)、焦点距離: 5.10mm (35mm換算焦点距離: 26mm)、シャッタースピード: 0.000342s (1/2924)、F値: f/1.6、ISO感度: 32、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern
Galaxy S21 Ultra 5Gで撮影
イメージ情報: 4000x3000 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.70mm (35mm換算焦点距離: 24mm)、シャッタースピード: 0.001s (1/730)、F値: f/1.8、ISO感度: 16、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
■好みが分かれる忠実&地味な発色
人によって好みが分かれるのが発色。下のふたつの例に限らず、Leitz Phone 1はよく言えば忠実な発色、悪く言えば地味な発色です。ただし、さっと見比べるとiPhone 12 Pro MaxやGalaxy S21 Ultra 5Gのほうが「映える絵」であることは間違いないのですが、改めて細部をよく比較してみると微妙な階調はLeitz Phone 1に最も残っているように見えます。撮影後にPCで細かく色調整して、絵を仕上げていくのであれば、Leitz Phone 1の写真が素材として使いやすそうです。
Leitz Phone 1で撮影
イメージ情報: 5472x3648 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.85mm (35mm換算焦点距離: 18mm)、シャッタースピード: 0.000438s (1/2281)、F値: f/1.9、ISO感度: 50、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
iPhone 12 Pro Maxで撮影
イメージ情報: 4032x3024 (Jpeg,YUV420,ICC profile)、焦点距離: 5.10mm (35mm換算焦点距離: 26mm)、シャッタースピード: 0.000842s (1/1188)、F値: f/1.6、ISO感度: 32、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern
Galaxy S21 Ultra 5Gで撮影
イメージ情報: 4000x3000 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.70mm (35mm換算焦点距離: 24mm)、シャッタースピード: 0.002s (1/573)、F値: f/1.8、ISO感度: 16、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
Leitz Phone 1で撮影
イメージ情報: 5472x3648 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.85mm (35mm換算焦点距離: 18mm)、シャッタースピード: 0.000197s (1/5066)、F値: f/1.9、ISO感度: 50、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
iPhone 12 Pro Maxで撮影
イメージ情報: 4032x3024 (Jpeg,YUV420,ICC profile)、焦点距離: 5.10mm (35mm換算焦点距離: 26mm)、シャッタースピード: 0.000178s (1/5618)、F値: f/1.6、ISO感度: 32、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern
Galaxy S21 Ultra 5Gで撮影
イメージ情報: 4000x3000 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.70mm (35mm換算焦点距離: 24mm)、シャッタースピード: 0.000713s (1/1402)、F値: f/1.8、ISO感度: 16、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
■ナイトモードは手ぶれしやすい、あえてオフにするのも手
一方、かなり厳しいと言わざるを得ないのが夜景撮影。夜景の明るさにもより変化しますが、撮影が長時間になると手ぶれが多発します。またスマホの画面ではピントが合っているように見えたのに、実際には少しずれることもよくありました。さらに言うと、明るい部分の白飛びが顕著です。
iPhone 12 Pro MaxやGalaxy S21 Ultra 5Gだけでなく、他社製のフラッグシップスマートフォンであれば手持ちでぶれなく、白飛びも抑えて夜景を撮影できます。ソフトウェアアップデートで改善されることを期待したいところです。
Leitz Phone 1で撮影
イメージ情報: 5472x3648 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.85mm (35mm換算焦点距離: 18mm)、シャッタースピード: 0.020s (1/50)、F値: f/1.9、ISO感度: 1237、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
iPhone 12 Pro Maxで撮影
イメージ情報: 4032x3024 (Jpeg,YUV420,ICC profile)、焦点距離: 5.10mm (35mm換算焦点距離: 26mm)、シャッタースピード: 0.040s (1/25)、F値: f/1.6、ISO感度: 500、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern
Galaxy S21 Ultra 5Gで撮影
イメージ情報: 4000x3000 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.70mm (35mm換算焦点距離: 24mm)、シャッタースピード: 0.030s (1/33)、F値: f/1.8、ISO感度: 640、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
Leitz Phone 1で撮影
イメージ情報: 5472x3648 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.85mm (35mm換算焦点距離: 18mm)、シャッタースピード: 0.078s (1/13)、F値: f/1.9、ISO感度: 1125、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
iPhone 12 Pro Maxで撮影
イメージ情報: 4032x3024 (Jpeg,YUV420,ICC profile)、焦点距離: 5.10mm (35mm換算焦点距離: 26mm)、シャッタースピード: 0.111s (1/9)、露出補正: 0.12 eV、F値: f/1.6、ISO感度: 800、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern
Galaxy S21 Ultra 5Gで撮影
イメージ情報: 4000x3000 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.70mm (35mm換算焦点距離: 24mm)、シャッタースピード: 0.111s (1/9)、F値: f/1.8、ISO感度: 1000、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
■「Leitz Looks」でモノクロ写真に目覚める
ライカ独特のモノクローム写真モード「Leitz Looks」には、意外にも結構はまってしまいました。実はこれまでモノクロ写真を撮影したことはなかったのですが、今回モノクロ縛りで撮影してみたら、色がないことでかえって情景の記憶を呼び起こされるのが新鮮に感じました。とは言え、「やっぱりカラーで撮っておいたほうがよかったかも」と思う写真もあったりしたので、モノクロとカラーの両方を記録してくれればいいのになーと思います。このへんはメーカーのこだわりかもしれませんが……。
Leitz Phone 1で撮影
イメージ情報: 5472x3648 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.85mm (35mm換算焦点距離: 18mm)、シャッタースピード: 0.000273s (1/3660)、F値: f/1.9、ISO感度: 51、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
Leitz Phone 1で撮影(※ナンバーにはモザイクをかけています)
イメージ情報: 5472x3648 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.85mm (35mm換算焦点距離: 18mm)、シャッタースピード: 0.000224s (1/4457)、F値: f/1.9、ISO感度: 52、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
Leitz Phone 1で撮影
イメージ情報: 5472x3648 (Jpeg,YUV420,sRGB)、焦点距離: 6.85mm (35mm換算焦点距離: 18mm)、シャッタースピード: 0.008s (1/120)、F値: f/1.9、ISO感度: 50、露出モード: Program (auto)、測光方式: Center weight
■「癖」を「味」として楽しめる方が買うべき端末
今回、3機種でテスト撮影しましたが、オートフォーカスが遅い、最短撮影距離が遠い、(個人的には)レンズキャップが面倒など、Leitz Phone 1は画作り以上に使い勝手にかなり癖があるなと感じました。少なくとも万人受けするスマホではないですね。「癖」を「味」として楽しめる方が買うべき端末だと筆者は考えます。
レンズキャップをはずすという行為は儀式として楽しめるものなのかもしれませんが、私は近いうちになくしそう。普段遣い用の安価なプラスチック製レンズキャップがほしいところです
からの記事と詳細 ( ライカスマホ「Leitz Phone 1」と「iPhone 12 Pro Max」「Galaxy S21 Ultra」で撮り比べ - Engadget 日本版 )
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