ベトナム代表の韓国人指揮官、朴恒緒監督が28日、ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本戦(29日、埼玉)との試合を前にオンラインで公式会見を行った。ここで、日本の新型コロナウイルスの防疫措置に対して強い抗議を口にした。ベトナムは敗退が決まっている。

ベトナムのメディアが「チームのスタッフの中に入国時に陽性反応をみせた方がいて、2日たって陰性の判定が出たそうですが、判定されチームに合流できるのか?」と質問した時のことだった。

指揮官は「ホームの防疫措置に対して、順守するのは義務であると思っている。しかし、あまりにもいき過ぎた防疫措置で、私たちは不当な扱いを受けていると言わざる得ない。プライドが傷ついたし、日本にホームとしての配慮、アウェーの国への尊重が足りないと思っている」と強い口調で日本への抗議の言葉を続けた。

朴恒緒監督によると、陽性判定を受けたのは指揮官の通訳を含む3人。ベトナムと日本では数値の基準が違い、ベトナムなら陰性判定の数値だと主張。しかし、日本では陽性判定になったという。指揮官は日本に到着するまで判定基準を知らなかったという。少なくとも事前に知らせるべきだったとも、強調した。

「こういう状況で、監督として抗議をすべきだと思って抗議をしたが、防疫義務違反で3日間、隔離すると言われました。抗議しただけで隔離をするというなら、喜んで隔離されようではありませんか。いくらでも隔離されてかまいません」と述べ、状況説明と持論を展開した。

この日のオンライン会見を担当した通訳は、隔離されている中で、役割をまっとうした。指揮官は「彼は簡易キッドで陽性だった。接触した人は、ほぼ隔離された状態。通訳に正式なPCR検査を受けさせてほしいと、何度も要請したがずっと断られ続けている。私は韓国人でベトナム代表の監督だ。この通訳がいないと、選手と意思疎通を図ることができない。そういった意味でも、配慮をしていただけないかと申し上げたが、それに対してもノーの一点張り。この状況で私たちはプライドも傷ついたし。残念な気持ちでいっぱいです。もう少し、配慮していただけたら」と語った。