<ヤクルト16-6巨人>◇24日◇神宮
巨人菅野らしいピッチングではなかった。真っすぐも147~8キロまで。アベレージは144キロくらい。ヤクルト打線はそれほど速さを感じないストレートより、変化球への意識を強めに待っている印象だった。
こうなると今のヤクルト打線の勢いにのみ込まれる。序盤で7失点。そこから小刻みに何とか加点していくが、そのたびに追加点を奪われた。これでは野手陣もきつくなる。投手陣が苦しい時に野手が助け、その逆もあってチームは補い合うものだが、この日の展開では野手にフラストレーションがたまる。
はっきり言って中継ぎ陣のレベルが低い。捕手が外へ構えているのに、真ん中へスーッと投げて打たれている。単調に投げているとは思わないが、そう見えてしまう。こうなると、打たれ方の悪さという結果が、チームに悪影響を与える。
先発がノックアウトされて登板する中継ぎには、まだ試合を壊すまいという強い意思と、捕手のサインに沿って細心の注意を払い、1球を大切にしてほしい。難しいことだが、慎重さの中に強気の面も持ち、抑えてやるんだというピッチングを見せてほしい。
ヤクルトの主軸からすれば、打って当然というほどのレベルの差を感じたのではないか。今の巨人にはヤクルトが嫌がるところが見えない。それでは、独走ヤクルトに苦しさはない。
9回に岡本和に1発が出た。結果には関係のない1本だが、それでも明日以降、ヤクルトは岡本和への警戒に神経を使うことになる。最後、中田が全力疾走を怠った場面があった。こういう試合展開で、主軸を打つべき中田は最後まで全力プレーを見せなくてはいけない。野手にも戒めるべきところはある。(日刊スポーツ評論家)
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