球界屈指の剛腕が、幕張のマウンドに帰ってくる。ロッテが、前レッドソックスの沢村拓一投手(34)を獲得することが27日、分かった。今オフ、フリーエージェント(FA)になって、日米複数球団との争奪戦の中、ロッテも参戦。20年シーズン以来3シーズンぶりの復帰で、18年ぶりのリーグ優勝に向け、最強のピースが加わる。
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日米の複数球団による争奪戦の中、熱意を示したのが古巣のロッテだった。メジャーか、日本球界復帰かで熟考する中、水面下で動向を調査。沢村の決断を尊重する思いを示した上で、即条件提示する準備を進めながら交渉の場を持ち、熱い思いとともに複数年契約を提示したとみられる。
20年シーズン途中に巨人からロッテにトレード移籍。リーグ2位でのCS進出に大きく貢献した。同年オフに海外FA権を行使し、レッドソックスへの移籍を決断したが、残留交渉の席上で背番号「14」、複数年の大型契約で熱意を伝えた。当時から2年が経過したが、球団の思いは変わらなかった。
メジャーでは2年間プレーし、104試合に登板し、6勝2敗、防御率3・39と安定した成績を残した。起用法が複雑だった昨季も49試合に登板し、1勝1敗、防御率3・73をマーク。150キロ後半の速球、スプリットは健在で米球界関係者によれば、複数の大リーグ球団が水面下で調査したが、ロッテの熱意が沢村の心を動かしたようだ。
ロッテは昨季途中から守護神を務めたオスナがソフトバンクに移籍した。通算182セーブの益田も控えるが、ブルペン陣の強化は上位進出へ必須な状況。メジャーリーグでも超ハイレベルなア・リーグ東地区で力勝負を挑んだ沢村が加われば、強固な「勝利の方程式」の形成に直結する。
交渉が長期化した中でもトレーニングは継続し、調整は順調に進む。今月は沖縄で巨人鍵谷とともに自主トレ。自身のインスタグラムで動画を公開したように、すでに複数回ブルペン入りし、例年通りの仕上がりの良さをアピールする。投手コーチ時代に慕った吉井新監督のもと、18年ぶりのリーグ優勝に向け、剛腕をフル回転する。
◆沢村拓一(さわむら・ひろかず)1988年(昭63)4月3日、栃木県栃木市生まれ。佐野日大から中大を経て、10年ドラフト1位で巨人入団。11年新人王。15年からリリーフ、16年に最多セーブ。20年9月、香月一也とのトレードでロッテ移籍。同年オフに海外FA権を行使しレッドソックスへ移籍。13年WBC、15年プレミア12日本代表。183センチ、96キロ。右投げ右打ち。
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