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Wednesday, August 12, 2020

衣はサクサク、中はじゅわ〜。ナスの肉挟みフリット - 朝日新聞社

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は旬のナスを使って、サクサクとじゅわ〜の食感を楽しむフリットを教えていただきます。

     ◇

―― 冷水先生、こんにちは。毎日暑いですね~! 

冷水 急に暑くなったので、みなさん体調は崩していませんか?

―― はい、もりもり食べて元気いっぱいです。

冷水 なんとも頼もしい(笑)。

―― 夏は野菜がおいしいので、生野菜や温野菜で食べることが多くてお料理がついついシンプルになりがちです。

冷水 素材の味を楽しめますからね。

―― でも、たまにはちょっと手の込んだものを作りたいな~と思いまして……。今日は旬の野菜を使ったお料理をリクエストしてもいいでしょうか?

衣はサクサク、中はじゅわ〜。ナスの肉挟みフリット

はち切れんばかりの立派なナス。旬の今は肉厚で味も濃く、とてもジューシーです

冷水 ではナスはどうですか? 

―― いいですね! ピカピカのナスを見るとついたくさん買ってしまうのですが、調理法がマンネリ化して困っていたところです(笑)。

冷水 ナスは油との相性が抜群なので、今日はフリットにしようと思います。お肉を挟むのでボリューム感もありますし、しょうがやにんにく、ナンプラー、パクチーを使ったトマトソースをかけるので、食欲の出ない時期でもさっぱりと食べられますよ。

―― わ~、洋風のレシピ、新鮮ですね。

冷水 まずはナスを輪切りにして、しばらく塩水につけてアク抜きと下味をつけましょう。

―― 塩水につけることでアク抜きしつつ、下味もつくんですね、一石二鳥!

衣はサクサク、中はじゅわ〜。ナスの肉挟みフリット

ソースに使うトマトは湯むきしたあと包丁でたたいてこんな感じに。口当たりは滑らか、でも果肉感も少し残っているくらいがちょうどいい塩梅(あんばい)です

冷水 次は肉だねです。ここは材料を入れる順番があるので気をつけてくださいね。まずは塩とスパイス類を入れてこねていきます。

―― ほかの材料を一緒に入れたらダメなんですか?

冷水 塩は肉の繊維を壊す働きがあるので、まずは塩、クミンパウダー、シナモンパウダーを加えてこねます。そうするとほかの材料の味が肉に入りやすくなるんです。

―― なるほど~。

冷水 次に砂糖、しょうが、にんにく、ナンプラーを入れてこねて、最後に酒を加えてこねたら完成です。ソースを作る間、しばらく肉だねは冷蔵庫で冷やしておきましょう。

―― お肉にしっかりと味がついているんですね。スパイスが入って、なんだかアジアンな感じです。

冷水 次にソースを作りましょう。今日はトマトを細かくたたいてソースにするので、口当たりをよくするために湯むきします。

―― ペーストになるかならないかくらいの感じにたたくんですね。ちょっと果肉が残っているかな~?くらい……。

衣はサクサク、中はじゅわ〜。ナスの肉挟みフリット

挟む肉だねの量はこれくらい。ナスの端ギリギリまでのばすとサンドした時にはみ出してしまうので、端は少し空けておきます

冷水 そこに残りの材料を加えていきます。青唐辛子が手に入らない時はししとうで代用しても大丈夫です。

―― 青唐辛子、にんにく、パクチー。食欲増進食材三銃士じゃないですか!(笑)

冷水 酢も入るので、さっぱりしますよ~。いよいよナスにお肉を挟んでいきます。ポイントは欲張って肉だねを入れすぎないこと。

―― ギ、ギクッ!

冷水 ナスの端までお肉を伸ばすとサンドした時にはみ出してしまうので、少し余裕を持ってお肉をのせましょうね。あと、お肉を挟む側のナスには薄力粉をはたいておくのをお忘れなく。これが接着剤の様な役割を果たして、お肉とナスをしっかり密着させてくれるので。

―― 揚げている最中にバラバラに分解したら大惨事ですもんね!

冷水 揚げる前にはもう一度全体に薄力粉をはたいて、それから衣をつけてくださいね。

―― あれ、今日の衣には……ベーキングパウダーと炭酸水を入れるんですか!?

冷水 はい、衣に空気が入って、サクッとした軽い衣になるんです。お酒好きの方は炭酸水の代わりにビールを使ってもいいですよ。

衣はサクサク、中はじゅわ〜。ナスの肉挟みフリット

ベーキングパウダーと炭酸水を使うのが、サクッと軽い衣を作るポイント。炭酸が抜けないうちに揚げたいので、直前に衣を作りましょう

―― 飲みながらクッキング! いいですね(笑)。

冷水 あとは衣をつけて揚げるだけです。お肉とナスがはがれてしまわないように、油に入れたらあまりいじらず、静かに揚げてくださいね。

―― わ、衣がふっくらしているのが油の中でも見えます!

冷水 サクサク、ふわっとした食感がフリットの命ですからね。あとはソースをかけて、お好みでライムをしぼって完成です。

―― う~ん、サクサクの衣の中にとろとろのナスと肉汁が閉じ込められていて、なんですか、このジューシーさは!

冷水 ソースがかかった部分は衣がしっとりして、そこもまたおいしいでしょう?

―― はい、ソースのかかり具合で食感も味も変化するので、食べていて楽しいですね。お肉もソースもどこかアジアンな感じの味がして、ビールがどんどん進みます(笑)。

冷水 おつまみにもいいですね。

―― 揚げ物って、少し食べるとしつこくなることが多いですが、トマトのさっぱりしたソースと軽い衣のおかげで何個でもいけちゃいます、これは!

今日のレシピ

ナスの肉挟みフリット トマトソース

◎材料(2~3人分)

ナス 3~4本

《肉だね》
豚ミンチ 100g
塩 ひとつまみ
ナンプラー 大さじ1/2
クミンパウダー 小さじ1/3
シナモンパウダー 小さじ1/4
しょうが(すりおろし) 1片分
にんにく(すりおろし) 1/2片分
砂糖 ひとつまみ
酒 大さじ1


薄力粉 40g
片栗粉 10g
ベーキングパウダー 小さじ1/2
塩 ひとつまみ

《トマトソース》
トマト 1個
青唐辛子(みじん切り) 2本
にんにく(すりおろし) 少々
しょうが(すりおろし) 少々
パクチー(みじん切り) 1株分
酢 小さじ1
塩 適量
ライム 適量

炭酸水 70ml
薄力粉 適量
揚げ油 適量

◎作り方

 ナスは4~5㎜の輪切りにして、3%の塩水に15分ほどつけてアク抜きし、水気を拭いておく(塩水につけることで下味もつきます)。

 ボウルに豚ミンチを入れ、塩とパウダー類を加えこねる。そのあとに砂糖、しょうが、にんにくのすりおろし、ナンプラーを加えてこねて、次に酒を加えてさらにこねる。その後は冷蔵庫で冷やしておく。

 トマトは皮を湯むきしてから細かくたたいてボウルに入れ、種を取ってみじん切りにした青唐辛子、しょうが、にんにくのすりおろし、パクチーのみじん切りを加えて塩と酢で味を調える。

 ナスの片面に薄力粉をはたき、薄力粉をはたいた面にのミンチをのせる。ナスの薄力粉をはたいた面が内側になるようにミンチをサンドし、軽く押して挟む。

 のナスの全体に薄力粉をはたく。Aを混ぜ合わせてから、炭酸水を加え混ぜて衣をつくる。ナスに衣につけ、170度くらいの揚げ油で揚げる。

 器に盛りのソースをかけ、ライムをしぼる。

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(料理・レシピ 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子)

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冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

衣はサクサク、中はじゅわ〜。ナスの肉挟みフリット

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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