今年11月に行われるサッカーW杯カタール大会の放映権をインターネット放送局「ABEMA」が獲得したことが3日、分かった。本大会の全試合を生中継する。注目されていた地上波での日本戦は同社と資本関係にあるテレビ朝日、NHK、フジテレビで放送。日本戦以外はNHKがBSを含めて放送する方向で話が進んでいる。
W杯の放映権の交渉は国際サッカー連盟(FIFA)から購入済みの電通と、NHKと民放から成るジャパンコンソーシアム(JC)の間で行われてきた。しかし年明けの時点で金額的な折り合いがつかず頓挫。「NHKが半分払うことで決着していたが、民放が無理だった。このままでは地上波どころか、日本でW杯の生中継が見られない異常事態になる」(電通関係者)という可能性があった中、ABEMAが急きょ名乗りを上げた。
本紙の取材では、最終的にNHKが全体額の半分を支払い、ABEMAは資本関係にあるテレビ朝日との連合で参入。残りはフジテレビが名乗りを上げている。全体の購入額は明らかになっていないが「180億円近くではないか」(民放関係者)とみられ、NHKに次ぐ金額をABEMAが支払っておりインターネット中継の全試合の放映権を獲得。注目されていた地上波でのグループリーグの日本戦3試合はNHKとテレ朝とフジで分けることになった。
W杯の放映権料を巡っては、1998年のフランス大会で約5億円といわれていたものが大会を重ねるごとに高騰。18年のロシア大会では200億~300億円と40倍以上に跳ね上がった。
現在大詰めを迎えているアジア最終予選でも同じ事態が勃発。放映権はアジアサッカー連盟(AFC)を通じて中国の代理店が購入し価格が高騰。日本のテレビ局が手を出せない中、英国のスポーツ専門動画サービス「DAZN」が独占契約。日本戦のホームゲームだけはテレビ各局に“バラ売り”され、かろうじて地上波で放送されたが、アウェー戦のテレビ中継はない状況。大一番の来月24日、アウェーのオーストラリア戦について日本サッカー協会の田嶋幸三会長が「自腹でも地上波の中継を考えている」と発言したほど、焦りを募らせている。
日本はW杯出場が危ぶまれていたが、1日のサウジアラビア戦の勝利で大きく前進。ABEMAが放映権獲得を決めたのはこの試合の前で「日本がW杯に出場できるか分からない中での決断に、電通も同社の藤田晋社長に相当感謝していた」(民放関係者)という。
日本戦以外の本大会のテレビ中継は、NHKになる見通し。日本が決勝トーナメントに進んだ場合のテレビ中継についてもこの3局で分け合うことになるとみられる。
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