ようやく、という表現がぴったりだろう。
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は18日、記者会見場に姿を現した。同場所を訪れたのは、北京五輪開幕前日の2月3日以来だ。
その後、会長は競技会場の視察などで日々を過ごしていた。
12月のドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示しているフィギュアスケート女子のロシア・オリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ(15)を巡る一連の騒動が起きてからすでに1週間ほどが経つ。
言及した第一声は「とても悲しい話題だ」だった。
バッハ会長は17日に行われたフィギュア女子シングルのフリーをテレビで観戦。最終滑走で登場したワリエワがジャンプで転倒するなど、力を発揮できないまま終わった姿を見て青ざめたという。
「自分も選手だったので重圧に関しては少しは分かっているつもりだが、抱えていただろうプレッシャーは想像を絶する。彼女のしぐさや苦しそうな目を見て、出場しない方がよかったとも思った」
それ以上に「とても憤りを感じた」と語ったのが、コーチら周辺の関係者たちの演技後の態度だった。
「冷たすぎる。テレビ越しに見ていてそう思えてならない。苦しむ彼女を落ち着かせて助けるのではなく、周りは冷ややかに振る舞っていたように映った」
精神的な苦しみを和らげるためにも、IOCとしてはROCとも相談し、できる限りのサポートを申し出ているという。
一方でドーピング検査で陽性…
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