今年もFA宣言をした選手の交渉が始まっている。今年のFA戦線の主役も巨人だ。DeNAの梶谷隆幸と井納翔一のダブル獲得が早々に報じられると、14日に両者の巨人との契約が正式に締結された。
1993年にFA制度ができてから、巨人は常に主役を演じてきた。2人の獲得前時点で、FAで獲得した選手はNPB最多の野手13人、投手13人の26人。これらの成績を見渡してみて、つくづく思ったのは「FA選手の獲得は、果たして“良い補強”と言えるのか?」ということだ。
とりわけ今年の巨人は、ソフトバンクに完膚なきまでに叩きのめされた。セ・リーグで連覇したとはいえ、選手の育成や戦術、戦略面で、巨人は明らかにソフトバンクに後れを取っている。その差を縮める方策として、FAは最善手と言えるのか?
このことについて2回に分けて、投手編と野手編として別々に考えてみたい。
まずは野手編から。FAで巨人に移籍した選手の安打数上位5人について見ていこう。
以下は移籍年度(移籍元の球団)、移籍初年度の満年齢、FA移籍後の守備位置、◎人的補償選手、巨人での実働年数、巨人在籍期間の成績、獲得した主要タイトルである。
1 村田修一 2012年(横浜)32歳 三塁手 ◎藤井秀悟
6年 795試2794打765安109本391点6盗 率.274
ベストナイン、ゴールデングラブ各3回
横浜時代は不動の4番打者として2年連続本塁打王。巨人では20本塁打以上3回と長打はやや物足りなかったが、3割を2回マーク。また三塁守備も堅実だった。35歳となった2016年はフル出場して3割をマーク、ともに3度目のベストナイン、ゴールデングラブに輝いたが2017年に成績がやや衰えると自由契約になった。2000本安打まであと135本だったが契約するチームは現れず、翌年は独立リーグ栃木でプレーし引退した。765安打は巨人のFA移籍選手として最多である。
2 小笠原道大 2007年(日本ハム)34歳 一、三塁手
7年 701試2519打745安138本413点8盗 率.2957
MVP1回、ベストナイン2回
日本ハムというよりパ・リーグ最強打者としてMVPを獲得した翌年に入団。初年度は33本塁打88打点、打率.313と文句なしの成績を残し、小久保裕紀がソフトバンクに戻った穴を埋めて余りある活躍。リーグ優勝の立役者となりリーグをまたいで2年連続でMVPを受賞。4年目までは大活躍したが、2011年に成績が急降下、2014年にFAで中日に移籍した。
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