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Monday, December 14, 2020

Fitbit Versa 3レビュー:万人ウケするバランスのいいスマートウォッチ - ギズモード・ジャパン

スマートウォッチだらけ。

世の中にはありとあらゆるスマートウォッチがありますね。ギズモード編集部でも、編集者やライターが腕にはめているスマートウォッチで同じモデルはふたつとない状態。推しているモデルもそれぞれ、推している理由もそれぞれです。

ではスマートウォッチだらけのこの世界で、どうやったら自分に最適なモデルを見つけ出せるんだろう?

そのヒントになりそうなのが米ギズモードのVictoria Song記者のハンズオンレビュー。ウェアラブルデバイスを3つも4つも身に着けてランニングに出かけちゃうツワモノです。

そのVictoriaいわく、「FitbitのVersa 3は万人ウケする優良モデル!」。

以下、詳しいレポートをどうぞ。


FitbitのVersaシリーズは、常にスマートウォッチ界のトップランナーとしてひた走ってきました。

他モデルのIonicBlazeより見た目もいいですし、競合メーカーが出している機種と比べてお求めやすく、機能も充実しています。最新のFitbit Versa 3もその安定路線をしっかりと受け継いでいますが、プレミアム路線の「Fitbit Sense」が同時に発売されたことで、どちらのFitbitを買うべきなのか混乱を招いてしまっている感もあります。

Fitbit Versa 3の立ち位置はApple Watch SEと似ているのかもしれません。どちらもフラッグシップモデルよりちょっと軽めな仕様ながらも、日常的に使いたい基本的な機能のほとんどをおさえています

Fitbit Versa 3はFitbit Payを使って手首をかざすだけで支払いを済ませられますし、スピーカーとマイクが内蔵されているのでハンズフリー通話も可能。Amazonアレクサをアシスタントとして呼び出せるだけでなく、Fitbit OS 5.1へのソフトウェアアップデート以降はGoogleアシスタントにも対応しています。さらに、以前のVersaモデルにはなかったGPS機能が内蔵されているのも大きなメリットです。そして極めつきはバッテリーが最長でおよそ6日間も持つこと。電池残量が少なくなっても、12分間チャージするだけで一日分の充電が完了します。

Versa 3とSenseの発売に伴い、Fitbitはどちらのモデルにもより直感的なユーザーインターフェースを新たに導入しました。それと同時に心拍数を自動測定する心拍計「Pure Pulse」も2.0にバージョンアップされ、SpO2(動脈血酸素飽和度)をモニターできるウォッチフェイスが採用されました。アプリで確認できる健康データの見せ方にも新しい工夫が施されています。

一方で、よりプレミアムなFitbit Senseにはストレス管理に役立つ皮膚電気活動(EDA)センサー、米FDAに認可された心電図(ECG)モニター、そして手首で測定する皮膚温度センサーがついています。

でもそんな機能いらない・使わない…という方、おめでとうございます。あなたはFitbit Versa 3で充分満足するはずですよ。

Fitbit Versa 3

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これはなに:Fibitの4代目Versaモデル。

価格:2万3000円(税別)〜。

好きなところ:バッテリー寿命がよく、トラッキング機能も万全。Googleアシスタントが導入されたうえに、GPSが搭載されてる!

好きじゃないところ:エクササイズ中に時々心拍数測定がおかしなことになる。

プレミアムな「Fitbit Sense」じゃなくてもいい理由

はっきり言いましょう。ECGモニターがなくても大概の人は困りません。おおむね健康体で、かかりつけのお医者さんから心房性細動(不整脈の一種)のリスクを知らされていないかぎりは、ECG付きのスマートウォッチを手にする必要はないと思います。逆に、もし心臓疾患のリスクを抱えていらっしゃるならば、補助的なモニタリングツールとして使うことができます(注:Fitbit Senseは医療用機器ではないことをお忘れなく)。

ただし、Fitbit SenseのEDAセンサーはけっこう役に立つかもしれません。ストレス値を測定する試みはなにもFitbit社だけが手を出しているわけではありませんが、私がテストしたところではFitbit Senseのストレスマネージメントに対するアプローチが一番しっくりきました。昨今のストレスフルな環境において、よりマインドフルネスを向上したいと願っているのならFitbit SenseのEDAセンサーは推しです。反対に、マインドフルネスなんて知ったこっちゃない〜という人にSenseは必要ありません。

デザイン:Versa 3とSenseを比較してみた

左がFitbit Sense、右がFitbit Versa 3。パッと見ほぼ同じです。
Image: Victoria Song/Gizmodo US

Fitbit SenseとVersa 3はパッと見ただけでは違いがわからないほどよく似ています。一番大きな違いはSenseのベゼル部分にECGセンサーが組み込まれているところ。それ以外はほぼ同一です。

対応している充電器も同じです。以前のFitbitモデルはそれぞれ違う充電器を使わなければならなかったため、この改善点はうれしいですね。もしあなたとあなたの同居人がSenseとVersa 3を買ったとしたら、お互いの充電器を使い回せるわけです。それから、Versa 3を使っていて将来的にSenseに買い替えたいって場合も好都合ですね。ですが、残念ながらVersa、Versa 2、もしくはVersa Lite EditionからVersa 3に買い替えた場合は、過去の充電器はまったく使い物になりません。

バッテリー寿命:Versa 3とVersa 2を比較してみた

ではバッテリーの持ちはどうでしょうか?Versa 2とVersa 3で比べてみたところ、さほど変わらない印象でした。

Versa 3をレビューのために2週間着けてましたが、一回の満タンチャージで平均して5日間使い続けられました。「最長6日間」と謳われているより短い実感はあったものの、スーパーハードなトレーニングばかりやってGPSを酷使していたので、そのせいでバッテリー消費が早まったのかもしれません。GPSトラッキングを利用したランニングを30分間行なった場合、バッテリーは平均して4〜5%減りましたが、ヨガやウェイトトレーニングなどGPSを使わないエクササイズだったらもっと長持ちしたはずです。

ちなみに、Versa 2に比べてVersa 3のほうが若干大きくなっています。画面サイズは1.39インチから1.58インチに、サイズでいうと39.8mm四方から40.38mm四方へとちょっとだけ大きくなりました。厚さも0.35mm増しです。でも着用時の肌感はどちらのモデルも大差なく、Versa 3を一日中つけっぱなしにしていても問題ない着け心地でした。

睡眠トラッキング機能:Versa 3とOura Ringを比較してみた

睡眠トラッキング機能に関しては、Versa 3とOura Ringを比較してみました。睡眠時間の測定はほぼほぼ同一で、例えば真夜中にネコたちに起こされた時なんかもちゃんと記録されていました。睡眠段階のタイムラインもほぼ同じでしたが、必ずしもぴったりとは一致せず。まあ、さほど差はなかったですけどね。睡眠中の体温測定はどちらも同じ手に着けた場合は一致していました。

Image: Victoria Song/Gizmodo US

GPSの精度:Versa 3とApple Watch SEを比較してみた

お次はGPS機能について。Versa 3、Apple Watch SE、そしてスマートフォンで距離を計測しながら何度かランニングしたところ、Versa 3の記録は1kmにつきおよそ0.1〜0.3km少ない傾向にあることがわかりました。

たとえば、スマホが記録したところでは4.81kmだったランは、Fitbit Versa 3では4.50km、Apple Watch SEでは4.60kmという結果に。スマホで4.47kmと記録されたランの場合では、Versa 3が4.26km、Apple Watch SEは4.39kmでした。ほかのランでもほぼ同様のパターンが見られました。長距離になればそれだけ差も大きくなり、スマホでは5.87kmだったのがVersa 3では5.40km、Apple Watch SEでは5.55kmだったことも。

この差がどこからくるのか考えてみたのですが、まずはエクササイズ中にGPS通信が途切れてしまうからかもしれません。実際、Versa 3を着けてランニングしている最中にGPS通信が途切れ、再接続されたことが何度かありました。GPS通信が失われる時間も頻度も多くはなかったものの、これが計測の精度に影響しているのかもしれません。また、あいにく私はGPSが届きにくい場所で生活しているため、Versa 3がGPS信号を受信するまでに毎回1分ほどかかることも影響しているかもしれません。

しかし一般的に言って、どんなGPSトラッキング機能を使っていてもなんらかの誤差は必ず生じます。それに、Versa 3の誤差は常に一定だったので、その誤差さえ考慮しておけばレースに出場するためにトレーニングを重ねているような場合でも走った距離を相対的に正しく把握することはできると思います。

心拍計:Versa 3とSenseに共通している問題点

Versa 3とSenseには共通しているいいところがたくさんある反面、気がかりなところもひとつあります。それは心拍数を実際より少なく表示することです。

心拍計アルゴリズム「Pure Pulse」が2.0にバージョンアップされてからというもの、Versa 3とSenseのどちらを使っても1分間につき5〜10拍ほど低く表示される傾向にあります。ものすごい誤差というわけではないんですが、運動中に「あれ?」と2度見して、集中力が削がれることはありました。

たとえば、ランニング中にVersa 3の心拍数は140bpmなのに、Apple Watch SEとPolar H10(心拍数モニター用チェストストラップ)はどちらも170bpmを表示していることがありました。数秒後に再度Versa 3のディスプレイを確認してみると、なんと今度はしれっと165bpmに…。

5bpmの誤差は想定内です。でも30bpmはちょっと異常。なお、この現象は外でランニングしている時にしか起こらず、インターバル走の最中にもっとも頻繁に起きました。

全体的に見ると、Versa 3、Apple Watch SE、そしてPolar H10が計測した心拍数は足並みが揃っていました。筋力トレーニング、ヨガやウォーキング中には誤差はそんなにありませんでした。

これについてはFitbitに問い合わせてみたんですが、まだ回答をいただいてません。もしかしたら今後OSのアップデートで改善されていくバグなのかもしれないですが、それまではインターバルトレーニングやHIIT(高強度インターバルトレーニング)が好きな人は留意しておくべきです。

新機能:Googleアシスタントきた!

Image: Victoria Song/Gizmodo US

Versa 3に新たに加わったGoogleアシスタント機能はなかなか素晴らしいです。Amazonアレクサは自宅でたまに使っているものの、個人的にはGoogleアシスタント推しなので、Versa 3を通じてスマート化された家の電気をつけたりできるのはすごくいい! Googleかアレクサを選択できるのもいいですね。Versa 3にはスピーカーが内蔵されているのでアレクサの音声反応を聞くことができるんですが、残念ながらGoogleアシスタントだとまだこの機能が使えません。

さらに、Versa 3の新機能としてBluetooth接続でスマホとつなげて通話ができるようになりました。料理している時など、スマホをハンズフリーで使いたい時に超便利です。ただし、Versa 3自体にはセルラー機能が備わっていないので、アレクサと連携したり通話したりする際は近くにスマホを置いておく必要があります。

ぶっちゃけ買うべき?

Versa 3はお値段2万3000円。Versa 2よりちょっと高いぐらいです。値上がりしたのはFitBit Payがデフォルト化されたのも一因でしょうか。

しかしながら、もしFitbit Pay、内蔵GPS、Googleアシスタント機能が必要ないのなら、わざわざVersa 2から買い替える必要はないかもしれません。Versa 2が発売されてからまだ一年しか経っていないですしね!

または、もう1万円上乗せしてまでFitbit Senseを買うべきか?という点については、ECG(心電図)機能が必要かどうかと、マインドフルネスがあなたにとって重要であるかどうかにかかっています。

一応Senseに搭載されているECG機能について説明しておくと、皮膚電気活動のグラフからストレス状態を数値化してくれますが、ストレス値が大変なことになったとしてもアラートで知らせてくれたりはしません。むしろ、「今私の感情パターンはこういうことになっていて、それについてどう感じているかをログすることにより、自分の感情パターンについてさらに理解を深められる」みたいな機能です。個人的にはこのアプローチがすごく気に入っているのですが、すべての人にとってそうだとは限りません。ですから、Senseがすべての人にとってよい選択肢とは限りません。

「Fitbit Premium」は活用すべき

Image: Victoria Song/Gizmodo US

もうひとつ、Fitbit Premiumについて少し説明しておきますね。

Fitbit Premiumという有料サービスに登録すると、呼吸数・体温・心拍変動数などあらゆる健康データにアクセスできるようになります。そのほかにもガイドつきプログラム、瞑想セッション、睡眠データなども使えるようになり、「Premium Challenges」で目標設定をできるようになります。

要はすごくおすすめなサービスなんですが、通常なら月額1,100円、または年額8,900円かかります。ところが、Fitbit Senseを買うと6ヶ月間無料で使用できるんですね。Versa 3を買っても新規ユーザーであれば90日間の無料トライアルを受けられますが、こうやって比べてみるとSenseのほうがお得感はあります。まあプレミアムサービスに入らなくても基本的な健康データは無料アプリで確認できるので、心拍変動数や呼吸数に興味がない方には必要ないでしょうけど。

Fitbitユーザーコミュニティとつながる

Fitbit Versa 3と同じような機能を搭載した格安スマウォがたくさん出回っている中で、私があえてFitbitのスマートウォッチを選ぶ理由は、Fitbit Premiumとそれを使っているユーザーコミュニティとの接点が欲しいからです。もし友人同士でスマホのアプリ上でトレーニングの成果を競い合ってお互いのモチベーションを上げたりしたいのなら(コロナ禍では以前にも増して重要かも)、Versa 3はうってつけだと思います。

「Amazfit Bip S」っていう1万円ぐらいのスマートウォッチがあるんですが、安いわりには日常に役立つ機能をしっかりと備えていてなかなかいいんです。でもAmazfitのアプリでつながっている友達はそうそういないし、そもそもアプリ自体がまだ荒削り。だったらVersa 3を買って、Fitbitコミュニティーに参加したほうがいいんじゃないかと思ったりします。

Versa 3はVersa 2より進化していることは間違いありません。しかし、その進化の度合いが期待していたほどではなかったのが正直な感想です。もっと言ってしまえば、Versa 3はVersa 2のあるべき姿でした

とはいえ、Versa 3は格安スマウォの領域から抜け出し、プレミアムフラッグシップモデルの一歩手前で安定路線をひた走るモデルです。Fitbit Senseほど野心的ではないものの、今のFitbitスマートウォッチの中でもっとも「センス」あるモデルと言えるんじゃないでしょうか。

まとめ

・Series 6にとってのApple Watch SE、Fitbit SenseにとってのFitbit Versa 3。

・内蔵型GPS機能、Fitbit Pay、内蔵スピーカー&マイク、Bluetooth接続による電話機能と、Googleアシスタント。

・デザイン的には過去のVersaモデルやSenseと大差なし。

・マインドフルネスと心電図がなくてはならないものだと思っている人以外は、Versa 3で満足できるんじゃないかな。

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