日本オリンピック委員会(JOC)/NF(国内競技団体)国際フォーラムが14日、オンラインで開催され、JOC山下泰裕会長(64)が冒頭あいさつで、ロシアから侵攻されているウクライナへの支援を呼びかけた。

質疑応答では、前スポーツ庁長官の鈴木大地JOC国際委員会副委員長から、ロシアのプーチン大統領から柔道家として尊敬され、親交があるとされている山下会長に対し「プーチン大統領に対し、ロシアの軍事侵攻は非常識である、柔道家として、あり得ないことである、ということを直接メッセージとして伝えられないか」と要望される場面があった。

これに対し、山下会長は「実は、私の周りの人からも、私の妻に対しても、プーチン大統領と山下さんが親しいはずなので何かできないか、という声が届いております。当然ながら全日本柔道連盟にも、かなりの問い合わせがきております」と、まず現状を説明。その上でこう回答した。

「柔道を通じたつながりはありますが、直接のコネクションはないのが現状です。大会会場や、日本に来られた時にはお会いしますが、普段から連絡を取り合ったり、メッセージを送り合ったりしたことは、これまで一切ございません。何かメッセージを出すにしても直接、出すのは難しい。知人、友人も含めて、普段からやりとりしていると誤解されている方が多い。直接、届くルートは個人的には持ち合わせていません。そして、ロシア側のルートを通しても、大統領には届かないだろうと思っています。できれば、日本のスポーツ界で一緒に動ければ。できるだけ早く行動していかないといけない」

また、JOCパートナーシップ協定を締結するNOC(各国・地域オリンピック委員会)の中にロシアとウクライナが入っており、ロシアとの協定を破棄するなどJOCとしてのアクションはあるか問われると「意見を頂戴して、考えて、できるだけ早く行動に移していきたい」と返すにとどめた。