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Wednesday, March 2, 2022

日本電産サンキョー、スピードスケート部を電撃廃部 五輪メダリスト5人輩出名門実業団 - スポーツ報知

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 日本電産サンキョーは1日、強豪で知られるスピードスケート部を3月末で廃部すると発表した。人材不足などで「企業がスピードスケート競技の発展に貢献するという当初の目的についての展望が持てないと判断した」と理由を挙げた。1998年長野五輪男子500メートル金メダルの清水宏保ら多くの名選手を輩出した実業団の名門。現在は五輪3大会連続出場の高木菜那(29)ら8選手が所属している。

 北京五輪でメダルラッシュに沸いたスピードスケート界に激震が走った。実業団の強豪で長年、競技の発展をけん引してきた日本電産サンキョーが今月限りで廃部を決定。同社の業績は好調で、人材不足や競技レベルの低下を理由とした。担当者は「世界で通用する選手を育てるということを目標にやってきたが、競技人口も減り続けている。その結果として、世界で活躍できるような競技成績が得られず、いい展望が持てないと判断した」と語った。

 1957年に前身の三協精機として創部以来、60年スコーバレー大会から17大会連続、計36人の五輪代表を輩出してきた。男子500メートルでは98年長野で清水宏保が金、2010年バンクーバーは長島圭一郎が銀、加藤条治が銅。高木菜那は18年平昌で2冠、北京でも女子団体追い抜きで銀。所属選手が金3、銀2、銅3の計8個のメダルを獲得するなど、名実ともにスケート界を引っ張ってきた。

 ただ、14年ソチ五輪後にナショナルチームが発足。有力選手を所属の垣根を越えて一体強化する体制となり、従来のチームとしての活動が難しくなっていた。名門を20年以上率いた今村俊明監督(59)は「皆さんの期待に沿えるような成績ではなかったことも廃部の一つの理由になったと思う。伝統あるチームを終わりにしてしまった。その時のリーダーとして、応援してくれていた人たちに申し訳ない気持ちでいっぱい」と無念さをにじませた。

 北京五輪後に存続の議論が持ち上がり、欧州遠征中の高木菜らを含め、所属8選手にはこの日の発表直前に廃部が伝えられた。ある選手は突然の出来事に「びっくりした」と言葉を失い、涙を流す選手もいたという。社員としての雇用は継続されるが、関係者によると、高木菜ら今季を集大成と位置付ける選手もいる一方で、数人が現役続行を希望。入社が内定していた北京五輪代表の堀川桃香(18)=白樺学園高=も含め移籍先を模索する形になる。同社は今月中に個別で面談し、競技継続を望む選手には新たな環境を探すサポートを行うとしている。

 石幡忠雄氏(68年グルノーブル五輪代表、元三協精機監督)「関係者から厳しいということを聞いていましたが残念だしショックです」

 長野五輪男子500メートル金メダル・清水宏保氏「えっ、という感じ。北京五輪で日本選手が大活躍した直後だけに驚いた。内定選手にも知らされていなかったと聞き、複雑な思いです」

 羽石国臣(02年ソルトレークシティー代表、現競輪選手)「びっくりです。歴史のある部だし、まさかという感じです。僕は三協精機の時代でしたが最高の環境でした。仕事は4月だけで、5月から3月までは練習することが仕事でした」

 大菅小百合さん(三協精機時代から7年間在籍。夏冬五輪3度出場)「ただただびっくり。選手はこの時期に言われて大変だと思います。私も所属先が見つからずに心折れそうな時もありましたが、ネガティブにならずに自分の目標を忘れないで頑張ってほしいです」

 ◆日本電産サンキョースケート部 1953年に第1号選手として志賀園子が入社し、57年に「三協精機スケート部」として正式に発足。同社は2003年に経営不振に陥ったが、総合モーターメーカー「日本電産」(京都市)が買収し、存続が決まった。活動拠点は長野・下諏訪町。

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